TOPページへ戻る 購読について
TOPページへ戻る
2019年11月号 俳日和(22)
 
  袋回し

                             河原地英武

 先日、京都句会の仲間と袋廻しという題詠の一種をやったが、すこぶる楽しかった。月例の句会や吟行のあとの小一時間、座興にやってみるのも悪くないと思う。以下、その方法を少し説明してみたい。

 たとえば5人で行うとする。その場合、事前に封筒(安い茶封筒で十分)を5枚、短冊を20枚用意しておく。テーブルを囲んで5人が腰かけたら、各人に封筒を1枚、短冊を4枚ずつ配る。これで準備完了である。

 まず全員が、それぞれの封筒のおもてに題を書く。季語でもいいし、そうでない単語でも、漢字1字でもかまわない。そうしたら、その封筒をいっせいに左隣の人に渡す(時計回り)。封筒を受け取ったら、そこに書かれている題で1句詠むのだ。あまり考え込まず、3分くらいで作りたい。出来たらそれを短冊に書き、封筒のなかに入れて隣に廻す。だいたい同じタイミングで右から次の封筒が来るので、そこに書かれている題でまた1句作る。こうして一巡し、自分が題を書いた封筒が戻ってきたら「やめ」である。


 封筒には短冊が4枚入っているはずだ。それを1枚ずつ読み上げ、よいと思った人は手を挙げる。こうして点数をつけ、作者は名乗る。これを順次5人が行っていくのである。『現代俳句大事典』(三省堂)に載っている方式とは少々異なるけれど、あまり窮屈に考えなくてもいいだろう。

 苦吟しているとたちまち自分のところに封筒がたまってしまうから、けっこうプレッシャーがかかる。しかし、破れかぶれで出した1句が図らずも高得点になることは珍しくない。そこが俳句の面白いところだ。かりに残せる句ができなくても瞬発力を養う訓練にはなるし、句友と高密度な一時を過ごせるのも袋廻しの醍醐味である。