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2019年4月号 俳日和(15)
 
  清新の気

                               河原地英武

 手元に『中日新聞』平成10年4月11日付夕刊の切抜のコピーがある。「平成俳句事情」というシリーズ物の第5回目の記事で、この年1月に創刊されたばかりの伊吹嶺のことが取り上げられている。俳誌創刊と同時にウェブサイトを開設したことが当時はまことに新鮮で、記者の関心をひいたようだ。「他と同じような雑誌を作ってもあまり意味がないと思いまして」という栗田先生の言葉が引用されている。

 現在はホームページをもつ結社も少なくないが、それでも大方は、雑誌の発行に合わせて月に1回更新するかどうかといった状態のように見受けられる。ほぼ毎日新しい記事がアップされる伊吹嶺は圧倒的な少数派だろう。

 そんなことから京都・東本願寺が発行する月刊誌『同朋』(京都では書店で市販されている結構有力な雑誌)が伊吹嶺に注目し、一昨年の2月号に国枝隆生さんと矢野孝子さんへのインタビューを掲載し、ネット句会やチャットのことなどを紹介している。わたしもネットにかかわってきた者の一人として誇らしい気持ちだが、今後はこれをどう発展させていったらいいのか、みなで考えてゆくことも必要だと認識している。若い世代や海外で暮らす日本人を俳句の世界へいざなうことも重要な目標としたいが、そのためのツールとしてネットは大きな潜在能力をもっているように思われる。

 今月号は通巻第250号を記念して、栗田先生をはじめ編集に携わってこられた4名の方々に貴重な文章をお寄せいただいた。これを大きな励ましと受け止め、これからも惰性を排し、停滞することなく、伊吹嶺は歩まなくてはならない。本誌の表紙には「インターネットホームページ併設誌」と記されているが、その表示にたがわぬよう、雑誌とネットの両面に清新の気をみなぎらせたいものだと念願している。