選句結果 選者 国枝 隆生 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年6月号 |
☆特選☆ |
桜川 |
小四 |
安田 歩実 |
ツバメさん季節を運ぶ郵便屋 |
選評 |
歩実さん、つばめは春になったらやって来ますね。春という季節を運んで来たのですね。
つばめは春になったら日本にやって来ますが、それは南から春という郵便物を運んだと思ったのが子どもらしい発想です。
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
さんがつだむしがぞろぞろでてきたよ |
選評 |
さつきさん、いよいよ春になったのですね。ぞろぞろ出てきた虫は何でしたか。大人は三月になると、「けいちつ」ということを知っていますが、さつきさんはからだで知ったのですね。 |
横浜 |
小二 |
加藤 友康 |
ぶらんこをこいで始まる二年生 |
選評 |
友康くん、新学期はぶらんことともにやって来るのですね。ぶらんこをこぎながら、新しいこと、やりたいことが浮かんでくるのですね。 |
犬山 |
小四 |
西田 明 |
いぬふぐり夜空の星を真似ている |
選評 |
明さん、本当にいぬふぐりは小さな青で星のようですね。いぬふぐりは星を知って真似をしたのでしょうか。もしかしたら星がいぬふぐりを真似をしたのかな?
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岡ア |
小六 |
船越 啓太 |
探しても見つけられない初ひばり |
選評 |
啓太くん、ひばりが鳴いているのはよく分かりますね。しかし空を飛んでいるひばりを見つけることは難しいですね。でもよく見ると、見つけることが出来ますよ。鳴いている空をじっと見つめることがこつですよ。 |
小牧 |
中一 |
西田 希 |
散歩道星ふるようにいぬふぐり |
選評 |
希さん、散歩道にあるいぬふぐりは、本当に星が降ってきたように見えますね。あんまり小さいので、踏んづけてしまいそうですが、踏まないでよく見て楽しみましょう。 |
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☆入選☆ |
八王子 |
小一 |
長沼ひなこ |
タンポポは大きくなるととんでいく |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
さくらよりたませんうまいおかざきじょう |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
はしの下つばめがひくくとんでいる |
蒲郡 |
小四 |
廣中 一瑛 |
天守閣武将も桜見てたかな |
小牧 |
小四 |
稲山 若那 |
姉いもうと紅白梅のツーショット |
岡ア |
小六 |
佐藤 瀬奈 |
指先をよごし土筆のはかまとる |
岡ア |
小六 |
三木瀬里奈 |
畑打の祖父はときおり腰たたく |
岡ア |
小六 |
須藤 環 |
たんぽぽの花輪を編んで手をよごす |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
目の前で宙返りする初つばめ |
桜川 |
中一 |
安田 陽郁 |
藤の花母の晴れ着の丈足りぬ |
小牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
赤よりも優しい香り白い梅 |
横浜 |
中二 |
加藤 希実 |
桜雨散りゆく花片曾祖母の影 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年5月号 |
☆特選☆ |
桜川 |
六歳 |
安田航太 |
レゴの家入ってごらん団子虫 |
選評 |
航太烽ュん、団子虫を拾ってきて、レゴブロックの家に入らせたのですか。きちっと入りましたか。
虫好きな航太烽ュんが団子虫を捕まえて、自分で作ったレゴの家に入れたのは生き物に対する好奇心からだと思います。こんな好奇心が環境に目を向ける第一歩です。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
四歳 |
いちかわことな |
おひなさままたあおうねとふたしめる |
選評 |
ことなさん、今年のひなまつりは楽しめましたか。おひなさまをしまうときは、必ずひと言、話しかけるのですね。来年までのお別れですね。 |
桜川 |
小三 |
安田 歩実 |
妖怪はどこに住むのか夏の果て |
選評 |
歩実さん、もう夏のお化けやしきですか。それにしても一体どこに住んでいるのですかね。のぞきたくもあり、こわくてのぞけないかもしれませんね。 |
岡ア |
小六 |
和田梨々花 |
母とつむ日差しの中のふきのとう |
選評 |
梨々花さん、今年もふきのとうをつんだのですか。ふきのとうはちょっと苦くて、大人の味ですね。もしかしたらお母さんの方が好きで、つんだのでしょうか。
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豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
立春は庭の日差しに虫見る日 |
選評 |
颯太くん、立春の日は虫を見る日と決めているのですか。まだ寒いと思いますが、虫を見ることが出来たですか。一番に出てくる虫は何ですか。 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
父さんと卒業の服選ぶ夜 |
選評 |
瑠莉さん、いよいよ小学校の卒業式ですか。卒業式には一番よい服を着たいですね。お父さんと選んでいる夜が一番楽しく、卒業式が待ち遠しいですね。お父さんに選んで貰った服が最高ですね。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
ちくちくのはっぱにさかなおにたいじ |
八王子 |
小一 |
ながぬまひなこ |
ねこの子とならんでねてるぬいぐるみ |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
バレンタインピカチュウのチョコ友だちへ |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有里 |
ひなまつりまんじゅうたべてだいまんぞく |
福岡 |
小二 |
飯田はると |
梅の花まぁるく下がってかわいいな |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
まぶしいなリフトから見る雪げしき |
蒲郡 |
小四 |
廣中 一瑛 |
ひな祭りおいしそうだな供え物 |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
母の日に何あげようかまよってしまう |
岡ア |
小六 |
森 大輔 |
給食のわかさぎ食べるほろ苦い |
岡ア |
小六 |
須藤 環 |
さわ君にあげようバレンタインの日 |
岡ア |
小六 |
三木瀬里奈 |
うで伸ばし梅と自分の写真とる |
岡ア |
小六 |
主田 留美 |
祖母と切る矢作河原の猫やなぎ |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年4月号 |
☆特選☆ |
桜川 |
小三 |
安田 歩実 |
ちくわさんおでんの風呂は気持ちいい? |
選評 |
歩実さん、おでんの鍋がお風呂みたいだったのですね。お風呂に入ったちくわはおいしかったですか。
この句のよいところはおでん鍋の様子を風呂と見立てたところです。そこから歩実さんとちくわとの会話が始まります。子どもらしい擬人化です。 |
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☆秀逸☆ |
八王子 |
小一 |
長沼ひなこ |
しもばしらキラキラおほしさまみたい |
選評 |
ひなこさん、しもばしらは氷のけっしょうですから、キラキラしていますね。ひなこさんは何の星だと思ったのですか。考えると楽しくなりますね。 |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有里 |
ウルフムーンうさぎもちつきあぶないよ |
選評 |
悠有里さん、「ウルフムーン」とは1月の満月のことですね。狼の月だったら、うさぎさんは食べられてしまうと考えたのですね。悠有里さんは「ウルフムーン」のいわれを知っていますか。 |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
川の中四種の鴨が会議かな |
選評 |
はるとくん、川の中にいろいろな鴨がいたのですね。集まっていろいろ会議のおしゃべりをしていたのですね。よく観察していますね。ところで鴨の種類は全部知っていましたか。一度調べてみてはどうですか。
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岡ア |
小六 |
坂東 幸臣 |
弟とのぞき合いたりお年玉 |
選評 |
幸臣くん、お年玉は弟とは金額がちがうのですか。気になりますね。だからのぞき合っていたのですか。 |
岡ア |
小六 |
山崎明日香 |
正座して手を合わせたりお年玉 |
選評 |
明日香さん、お年玉を貰うときぐらい、しっかりと正座したいですね。大事なお年玉ですから、手を合わせただけでなく、大事に使いたいですね |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
もうじきねおにがくるからまめかって |
桜川 |
六歳 |
安田航太 |
寒い日にアイスを食べて固まっちゃう |
蒲郡 |
小二 |
ひろなかみくり |
かけ算のあんきはたいへんこごえるよ |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
リフトからおりてころんで初わらい |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
桜咲きお久しぶりのお花見だ |
岡ア |
小六 |
江川 月姫 |
元旦の郵便受けを開けて見る |
岡ア |
小六 |
森 大輔 |
友からの鉛筆書きの年賀状 |
岡ア |
小六 |
須藤 環 |
だいだいが鏡もちからすぐ落ちる |
岡ア |
小六 |
手島 玲菜 |
弟と競う枚数年賀状 |
岡ア |
小六 |
三木瀬里奈 |
玄関の注連縄ゆれる朝の風 |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
書初めのはねを忘れた「学」の文字 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
大吉のおみくじ引いて初笑い |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年3月号 |
☆特選☆ |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有理 |
ハロウィーンこうもりだけどとべません |
選評 |
悠有理さん、あなたがこうもりに変装したのですか。気分はどうですか。だれかにとべるかなと言われたのですか。
ハロウィーンは皆それぞれの変装を楽しんでいます。こうもりに変装した悠有里さんが友だちに「とべません」と答えたのが、ポイントで、楽しい句となりました。
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
まちがえてたべちゃいそうなゆずのふろ |
選評 |
さつきさん、ゆずのふろは冬至の日に入るのですね。ゆずはきれいな色をしていたのですね。本当においしそうだったのですね。さつきさんは素直にそう思ったのがよかったと思います。 |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
あかちゃんをあやすとわらうこたつかな |
選評 |
みくりさん、おかちゃんは本当にかわいいですね。またあかちゃんとこたつにいっしょに入るのは入るのはよけいに楽しいですね。 |
岡ア |
小六 |
小島 聖悟 |
帰宅して首までもぐるこたつかな |
選評 |
帰宅して首までもぐるこたつかな
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岡ア |
小六 |
曽根 愛花 |
じりじりと机を歩く冬のは |
選評 |
愛花さん、冬の蝿は確かに動きが遅いですね。本当に「じりじり」のとおりですね。私は「やれ「やれ鵜綱打つな蝿が手をする足をする」という一茶の俳句を思い出しました。 |
岡ア |
小六 |
主田 留美 |
つるつるとすべる玉子や関東煮 |
選評 |
留美さん、冬の夜は関東煮がおいしいですね。特に玉子は栄養満点で人気がありますね。留美さんが玉子を食べるときうまくつかめないのですか。その様子がよく見えます。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
小二 |
市川夢之助 |
寒い中れんぱさせるぞ一位のざ |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
友だちとわかれた後に初雪だ |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
サンタさん何をたのむかまよう夜 |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
ひなまつりあられを食べておまつりだ |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
パリパリと田んぼの氷ふんでいく |
岡ア |
小六 |
槌田 和樹 |
うきね鳥とつじょと首を持ち上げる |
岡ア |
小六 |
森 大輔 |
登校の友とかけ合う白い息 |
岡ア |
小六 |
江川 月姫 |
犬小屋の積もった雪をはらいけり |
岡ア |
小六 |
手島 玲菜 |
こおり付く車のワイパーお湯かける |
岡ア |
小六 |
三木瀬里奈 |
白い息手にふきかけてこすり合う |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
柚子湯出てほほはスベスベにおい立つ |
福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
銀杏落ち葉のじゅうたん踏んで校庭へ |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年2月号 |
☆特選☆ |
名古屋 |
小五 |
浅原 沙水 |
朝の山雲の帽子に紅葉着る |
選評 |
沙水さん、帽子は雲、着る服は紅葉ですか。いかにもおしゃれですね。この山は女の子ですか。
この句は擬人化で詠んでおり、雲は帽子、紅葉は洋服としたところがおしゃれ心です。さらにその山が朝日に輝いているので、ますますきれいに仕上がりました。
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
ハロウィーンかいぞくになってバキュンバキュン |
選評 |
さつきさん、ハロウィーンで海賊になったのですか。「バキュンバキュン」はピストルですか。海賊になって楽しかったですか。音がよいですね。 |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
歯がぬけそうリンゴかじればいたいなあ |
選評 |
若那さん、虫歯になったのですか。リンゴをかじると、いかにも歯がいたそうですね。でも今ごろは歯がぬける年ごろですからいたい時期ですね。 |
岡ア |
小六 |
小川 和仁 |
立冬や今朝の味そしる薄すぎる |
選評 |
和仁くん、味噌汁が薄いですか。薄いのはまずいですね。岡アは味噌の本場ですから、赤だしなどは本当は濃いですね。薄いのはお母さんの好みですか。
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岡ア |
小六 |
井原 未来 |
すずめ来る十一月の日だまりに |
選評 |
未来さん、11月の日だまりというと、日向ぼこですか。すずめも日向ぼこに加わったのですね。一緒に日向ぼこをするのも楽しそうですね。 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
どんぐりをけって坂道三十歩 |
選評 |
希さん、よくどんぐりなどをけって歩くことがありますね。坂道だったので、30歩でどんぐりはどこかへ消えてしまったのですか。また別のどんぐりをさがしてやりましょう。 |
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☆入選☆ |
千葉 |
小一 |
後藤つむぎ |
じいじいとおでんふうふううれしいな |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有里 |
一人のりのリフトつかまりもみじ見る |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
秋の空雲がない日が多いんだ |
蒲郡 |
小五 |
村瀬 凜 |
ゆきどけにしたからひょっこりふきのとう |
岡ア |
小六 |
高木 譲 |
山茶花の花びらをはく毎日だ |
岡ア |
小六 |
根岸 祥吾 |
降り続く木の葉にじゃれる小犬かな |
岡ア |
小六 |
森 大輔 |
祖母がぬく庭の大根穴一つ |
岡ア |
小六 |
加東 愛実 |
校庭の散る山茶花を掃き集め |
岡ア |
小六 |
曽根 愛花 |
美しき落葉を拾う少女かな |
岡ア |
小六 |
横井 恵里 |
散紅葉池の面に重なって |
岡ア |
小六 |
米良 亮子 |
くっきりと電線の影冬日和 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
みかん狩甘くて酸っぱいでも美味しい |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年1月号 |
☆特選☆ |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
ぶつけ合う団ぐり独楽は皿の上 |
選評 |
颯太くん、団栗独楽で遊んだのですか。皿の上で回したのが面白いですね。
団栗の独楽競争をしている場面ですが、「皿の上」から家庭が見え、さらに家族の顔も見えてきます。シンプルさの中に温もりが見えます。 |
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☆秀逸☆ |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
満月が川にうつって太陽だ |
選評 |
はるとくん、川に写っているお月様はよほど明るかったのですね。まん丸で、すごく明るいと、太陽のようになる訳ですね。 |
犬山 |
小四 |
西田 明 |
寝転んで今日も宿題こたつ中 |
選評 |
明さん、こたつはあたたかくてよいですね。そこで宿題をするのも楽しいですね。でも寝転んで宿題をやると眠くなりますよ。気をつけてね。 |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
おもち食べおなかぽっこり食べすぎた |
選評 |
凜さん、おもちはつい食べすぎますね。おなかがぽっこりとして、太って
しまいますね。でもまだ5年生ですから、どんどん食べて大きくなって下さい。 |
岡ア |
小六 |
船越 啓太 |
たこ焼きをほお張り火傷秋祭 |
選評 |
啓太くん、祭でたこ焼きを食べるのは楽しいですね。ただあわてて食べるから火傷してしまうのですね。ゆっくり食べる方が楽しいですよ。 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
木曽川へたっぷり写る秋の雲 |
選評 |
希さん、いつも木曽川を見ながら、生活しているのですね。木曽川一面に写っている雲は雄大ですよ。「たっぷり」で分かりますよ。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
三井さつき |
うんどうかいがんばれおうえんありがとう |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有里 |
アルミからあつあつやきいもまっきいろ |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
始めての二番とったよときょう走 |
蒲郡 |
小五 |
市川誠之助 |
下呂温泉三十二畳の宿に月 |
岡ア |
小六 |
坂東 幸臣 |
朝の会大きい赤い羽根選ぶ |
岡ア |
小六 |
佐藤 瀬奈 |
赤い羽根後ろに回す朝の会 |
岡ア |
小六 |
中山奈津美 |
団ぐりにさすつま楊枝折れにけり |
岡ア |
小六 |
三木瀬里奈 |
朝の会胸に付け合う赤い羽根 |
岡ア |
小六 |
横井 恵里 |
綿あめを友と分け合う秋祭 |
豊田 |
小六 |
安藤 洋輔 |
秋祭ちょっとずつかじるチョコバナナ |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
秋の夜仲良しと寝る奈良の宿 |
一宮 |
高三 |
澤田 侑吾 |
渋柿を食べて険しき父の顔 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年12月号 |
☆特選☆ |
小牧 |
小六 |
稲山瑠莉 |
堤防に情熱的な彼岸花 |
選評 |
瑠莉さん、彼岸花を見ると本当に情熱的ですね。瑠莉さんが感じる情熱的とは真っ赤な色のことですか。
この句は「情熱的」と断定したところが面白いと思いました。大人だと彼岸花のいろいろ細かいところを写生しますが、瑠莉さんは飛躍した言葉を使って成功しています。
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☆秀逸☆ |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
満月が雲にかくれて半分こ |
選評 |
はるとくん、お月様が雲とかくれんぼですか。しかし半分しかかくれていなかったのを発見したのが面白いですね。「半分こ」を見つけたのがおてがらです。 |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
サンタさんその正体をあばきたい |
選評 |
凜さんのところには毎年、サンタさんが来るのですか。その正体がだれか気になるのですね。でもあばくと来年は来てくれないかも。結局、そのあとでだれか分かったのですか。 |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
いも虫の緑のこぶがもくもくと |
選評 |
颯太くん、いも虫は本当に面白い形をしていますね。でも緑のこぶがもくもくしているなんて、一寸気味が悪いですね。ただ緑色はきれいな色をしていますね。そんな形、色をしているのは何故でしょうかね。 |
岡ア |
小六 |
能見瑠璃子 |
野に低く低く飛び来る秋の蝶 |
選評 |
瑠璃子さん、秋の蝶は一寸はかないですね。だから飛ぶのも「低く低く」なのでしょうか。この言葉を発見したのがよかったですね。 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
大空にひろがるカーテン鰯雲 |
選評 |
希さん、鰯雲は本当に空いっぱいに広がりますね。それをカーテンと思ったのですね。大空に広がっているカーテンはすごく広いカーテンですね。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
だんごむしみたいにまるくじしんのひ |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
バシャバシャとたいふうあとの水たまり |
小牧 |
小三 |
いな山わかな |
口のなか大つぶぶどう皮のまま |
今治 |
小五 |
近藤 芽依 |
子供たち田んぼの中を虫さがし |
岡ア |
小六 |
志木 正成 |
赤とんぼいっぱい群れて羽光る |
岡ア |
小六 |
高木 譲 |
三日月が里山の木に引っかかる |
岡ア |
小六 |
井原 未来 |
さわるなと祖母が指さす彼岸花 |
岡ア |
小六 |
井原 未来 |
秋草をコップにさしてテーブルに |
岡ア |
小六 |
曽根 愛花 |
ぼんやりと明るい雲や今日の月 |
岡ア |
小六 |
山崎明日香 |
秋の夜の父の鼻歌ハイボール
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福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
朝起きて段々涼しくなっている |
一宮 |
高三 |
澤田 侑吾 |
夕の日に染まり真紅の彼岸花 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年11月号 |
☆特選☆ |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
浴衣着てかいだん下りる姫になり |
選評 |
若那さん、浴衣着てお出かけですか。本当にお姫様のようにきれいになったと、みんながほめてくれるでしょう。
こどもが浴衣を着て出かけるのは、一つの晴れの舞台です。出かける前の階段を下りるときに既にうきうきの気分でうれしそうです。この頃の女の子はかわいい盛りですね。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
なつのゆめゾンビ出てきてとびおきる |
選評 |
みくりさん、ゆめにゾンビが出てきたのですか。びっくりですね。ゾンビはどんな顔をしていたのですか。忘れたいゾンビですね。 |
名古屋 |
小三 |
武田 勇紀 |
うちのにわにじいろとかげいつも来る |
選評 |
勇紀くん、いつも庭にとかげが来るのですか。虹色だったのは多分かわいく見えたかもしれませんね。庭にとかげが出てくるのはそれだけ自然があるということですよ。 |
岡ア |
小六 |
新名 孝則 |
顔中をしるでぬらして西瓜食う |
選評 |
孝則くん、西瓜は水分が多いので、食べると本当に顔がぬれてしまいますね。それだけおいしいからぬれるのもかまわないのですね。おいしいものは夢中で食べてしまいますね。 |
岡ア |
小六 |
千木良有素 |
お祖父さんの話をしつつ墓洗う |
選評 |
有素さん、お盆に墓まいりに出かけたのですか。お祖父さんの思い出はたくさんあるのですね。話がきりなく続いて、いつの間にか墓は洗いおわったのですね。 |
福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
お月様雲を使ってかくれんぼ |
選評 |
仁平くん、お月様もかくれんぼですか。ちょうど雲があるので、そこにかくれているのですね。ところでお月様はだれとかくれんぼしているのでしょうか。沢山の星とかくれんぼしているかも知れませんね。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
ラグーナのプールのきょうりゅうすべったよ |
蒲郡 |
小二 |
三井悠有理 |
風ふいてせんこう花火まけちゃった |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
川あそび夏の思い出できたんだ |
犬山 |
小四 |
西田 明 |
耳すます風鈴とおく聞こえてる |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
コスモスはすごくきれいでみとれちゃう |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
手花火をみんなで囲む一本ずつ |
岡ア |
小六 |
横井 恵里 |
揚花火忘れたころにドンと鳴る |
岡ア |
小六 |
米良 亮子 |
すかし見るあわの光やソーダ水 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
勝負する線香花火母が勝ち |
大分 |
小六 |
飯田 涼乃 |
山影に虹のかけ橋つながった |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
留守の庭一人ぼっちの蝉が鳴く |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
玄関に大の字に張る蜘蛛の網 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年10月号 |
☆特選☆ |
今治 |
小五 |
近藤 芽依 |
さくらんぼプリンの上でごあいさつ |
選評 |
芽依さん、プリンもさくらんぼかわいいですね。さくらんぼがプリンの上で座っているのですか。
この句は、「さくらんぼ」「プリン」と子供に人気があるものを上手に擬人化で取り込んでいます。さくらんぼがあいさつしている表情が見えるようです。
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
四歳 |
みついさつき |
ばあちゃんのめがねはまるでとんぼみたい |
選評 |
さつきさん、あばあさんのめがねをじっくりと見たのですね。本当にとんぼのように大きくてまるいのですね。面白いところをよく見ていますよ。 |
蒲郡 |
小二 |
三井ゆうり |
なな色をまぜたらまっ黒かきごおり |
選評 |
ゆうりさん、かき氷のシロップをいろいろ混ぜたら、まっ黒になってしまったのですか。本当はみんなきれいな色のシロップだったのが、黒い色に変わってしまったのはふしぎですね。でもどうしてもたくさんかけたくなりますね。 |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
まっくろな空からシャワー大花火 |
選評 |
みくりさん、本当にそうですね。花火は夜ですから、空はまっくろですね。そうすると花火の先が流れるときは本当にシャワーのようですね。すごくきれいだったでしょうね |
岡ア |
小六 |
森 大輔 |
毎朝よ全部つっつくおじぎ草 |
選評 |
大輔君、おじぎ草はどこにあるのですか。毎日つっつくのですから、庭か近所の公園ですか。つっつくのがもうすっかり日課になってしまっていますね。 |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
虫捕りの罠の中には油虫 |
選評 |
惟孝君、虫捕りの罠に油虫を使うとはびっくりです。油虫を罠に使う虫とはどんな虫ですか。意外な発見ですね。 |
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☆入選☆ |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
体けん会ゴロにとびつきあせだらけ |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
マスクして校歌をうたう終ぎょう式 |
名古屋 |
小四 |
上杉 美緒 |
夏の夜ジジジジジジと虫がなく |
犬山 |
小四 |
西田 明 |
ばあちゃんがにゅういんしたの夏休み |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
ていばんのもうすぐスタートなつ休み |
豊田 |
小六 |
新實 颯太 |
両の手で交ごにあおぐうちわかな |
名古屋 |
小六 |
佐野 心咲 |
風が吹きほのかに香るラベンダー |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
手作りのバスボムを干す炎天に |
福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
ノック受け汗がダラダラボールにも |
大分 |
小六 |
飯田 涼乃 |
コンビニに朝のお使いせみ時雨 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
夏の雲太平洋へ大行進 |
一宮 |
高三 |
澤田 侑吾 |
溶けそうに机に向う日の盛り |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年9月号 |
☆特選☆ |
小牧 |
小三 |
いな山わかな |
そばかすのバナナはうまい大好きだ |
選評 |
わかなさん、バナナは黒い点々のそばかすのあるのが一番おいしいですね。よいところに気づきましたね。
大人はバナナにある黒斑、いわゆるシュガースポットが食べ頃であることを知っています。そしてわかなさんは、それをそばかすと表現したのです。着眼点は同じです。 |
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☆秀逸☆ |
犬山 |
小四 |
西田あかり |
水の田に逆さ電柱整列だ |
選評 |
あかりさん、面白いところに気づきましたね。普通の電柱の整列も面白いですが、逆さまに映っているとどんな感じをしましたか。 |
蒲郡 |
小五 |
市川誠之助 |
面打たれくやし涙や汗ぬぐふ |
選評 |
誠之助君、剣道をしていたのですか。面を打たれてさぞかし痛かったでしょう。こうして剣道は上手になっていくのです。 |
岡ア |
小六 |
栗山いつき |
六月はわたしの心しめりがち |
選評 |
いつきさん、六月の梅雨はうっとうしくていやですね。しめりがちと言うことは、いつきさんも何か思いなやむことがあったのですか。それでも楽しくすごしましょう。 |
岡崎 |
小六 |
山崎明日香 |
服たたむ部屋までにおう花みかん |
選評 |
明日香さん、みかんの花の香りは強いので遠くまで匂いますね。たたんでいる服にみかんの匂いがうつるかもしれませんね。甘い匂いだとよいのですが。 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
ねじばなのらせん階段空めざす |
選評 |
瑠莉さん、ねじばなは面白い花ですね。細かいのですが、らせん階段にふさわしいですね。らせんをたどっていくと空まで続くとは、面白い発想です。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
小二 |
三井ゆうり |
ゲンジボタルおしりがライトやくにたつ |
福岡 |
小二 |
いいだはると |
帰り道雲で夕日が真っ二つ |
蒲郡 |
小四 |
廣中 一瑛 |
ほたるの火川にまあるく光ってる |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
あめがふりつゆに入ったあいずだね |
岡ア |
小六 |
小島 聖悟 |
梅雨にあき母の小言は長々と |
岡ア |
小六 |
高木 譲 |
手の中をひたすらもがくおけらかな |
岡ア |
小六 |
根岸 祥吾 |
あじさいの小道通れば服ぬれる |
岡ア |
小六 |
曽根 愛花 |
紫に縮れて開く花しょうぶ |
岡ア |
小六 |
稗田亜里沙 |
鈴蘭の花にふれればこぼれ落ち |
福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
風鈴が何かを伝えているみたい |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
ががんぼや教室中で騒がるる |
一宮 |
高三 |
澤田 侑吾 |
三人でひとつの傘や梅雨に入る |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年8月号 |
☆特選☆ |
福岡 |
小六 |
飯田仁平 |
雨あがり蛍と星が重なった |
選評 |
仁平君、よいところを見ましたね。地上の蛍と空の星の両方同時に見られたことは本当によかったですね。
この句は蛍と星の取り合わせの句です。雨あがりの空に着目して、蛍を引き立てています。「重なった」の発想がよかったと思います。メルヘンのある句となりました。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
三歳 |
みついさつき |
うしろむきでおよぐおさかななつのうみ |
選評 |
さつきさん、うしろむきでおよぐ魚がいたのですか。おもしろいですね。それはどんな魚だったのですか。よく見て俳句を作っていますよ。 |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
そらまめがふわふわのわたからでてきたよ |
選評 |
みくりさん、そらまめをむくと、本当に中にふわふわのわたが出てきますね。よいところに気がつきました。 |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
いいにおいもうすぐたけるまめごはん |
選評 |
若那さん、まめごはんはおいしいですね。それはにおいもよいし、味もよいからですね。まいねんこのじきになると楽しみですね。 |
岡ア |
小六 |
根岸 祥吾 |
柏もち家族みんなの葉を重ね |
選評 |
祥吾くん、柏もちの葉っぱがそれぞれ家族の葉っぱなのですね。「みんなの葉を重ね」と詠んだところがよかったですよ。 |
岡ア |
小六 |
佐藤 瀬奈 |
陽を浴びてふわりと牡丹散りにけり |
選評 |
瀬奈さん、じっくりと牡丹が散るのを見ていますね。牡丹は日が差す度に、散るのを発見したのですね。よいところを発見しました。瀬奈さん、じっくりと牡丹が散るのを見ています |
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☆入選☆ |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
まんまるのお花みたいな春の月 |
桜川 |
小四 |
中原 侑士 |
春の風うぶ毛をなでてくせになる |
名古屋 |
小四 |
山田 和輝 |
かしわもちパクパク食べて五つへり |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
こいのぼりかぞくみんなでおどってる |
岡ア |
小六 |
木島 武流 |
ベランダに一日垂れて鯉のぼり |
岡ア |
小六 |
手島 玲菜 |
葉桜や木漏れ日ゆれる川堤 |
岡ア |
小六 |
能見瑠璃子 |
母とむくエンドウ豆や指におう |
岡ア |
小六 |
和田梨々花 |
音もなく一日ゆれるけしの花 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
登りきる古墳の跡に夏の風 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
蝸牛足跡残しドア上る |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
ざらざらのかたつむり這う暑さかな |
一宮 |
高三 |
澤田 侑吾 |
夏めくや抹茶のアイスでひと休み |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年7月号 |
☆特選☆ |
岡ア |
小六 |
山崎明日香 |
くねくねとお玉じゃくしのうきしずみ |
選評 |
明日香さん、よく見ていますね。お玉じゃくしが泳いでいるのを見ると、本当に尾をよく振っていますね。
この句は単純かもしれませんが、観察力が効いた俳句です。浮くときも沈むときも尾を振る様子を「くねくねと」という言葉を発見したのがよかったと思います。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
とんがってにわにたけのこでてきたよ |
選評 |
みくりさん、たけのこを見つけるにはとんがっているところをさがすのですね。うまくさがすことができましたか。 |
蒲郡 |
小二 |
三井ゆうり |
ジャンプしてぼうしにキャッチあげはちょう |
選評 |
ゆうりさん、ジャンプしてやっとあげはちょうをキャッチできたのですね。あとは虫かごにいれたのですか、それともにがしてあげたのですか。 |
福岡 |
小二 |
いい田はると |
山の木々わかばで人のかおみたい |
選評 |
はると君、木もわかばでしげっていると、いろいろなものに見えるのですね。人のかおみたいに見えるとはおもしろいですね。 |
犬山 |
小四 |
西田 明 |
れんげそう田んぼをうめるカーペット |
選評 |
あかりさん、れんげそうはいちめんにに咲いていると、座りたくなるカーペットですね。座ってみたらどんな感じでしたか。 |
犬山 |
中一 |
西田 希 |
川の木に蜂の巣できて大騒ぎ |
選評 |
蜂の巣を見つけたときは大変でしたね。もし刺されるとこわいですね。川の木の巣はどんな巣だったのですか。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
三歳 |
みついさつき |
やもりくんきいろのはっぱにかくれたよ |
小牧 |
小三 |
いな山わかな |
たらこスパいがいとうまい木のめかな |
蒲郡 |
小四 |
廣中 一瑛 |
あまだれの穴子天ぷら島の店 |
郡上 |
小五 |
村瀬 凜 |
さくらのねはなびらいっぱいとんでいる |
岡ア |
小六 |
富山 希成 |
草もちの残り一個を取り合って |
岡ア |
小六 |
坂東 幸臣 |
登校の道路すれすれつばめ飛ぶ |
岡ア |
小六 |
井原 未来 |
手の平に一ひら二ひら散る桜 |
岡ア |
小六 |
佐藤 瀬奈 |
拍手するテレビの式の入学児 |
小牧 |
小六 |
稲山 瑠莉 |
自転車を横切る蝶におどろきだ |
福岡 |
小六 |
飯田 仁平 |
春の日をいっぱい浴びて山登り |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
つやつやの蛙バケツで泳がせる |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
寝転びて桜のすきま空の青 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年6月号 |
☆特選☆ |
半田 |
中二 |
荒川 惟孝 |
先生は布袋腹なり山笑ふ |
選評 |
惟孝君、鋭いですね。先生の腹はそんなに大きいのですか。何だか私の腹も見透かされたように感じました。
「布袋腹」は、日頃の先生の特徴をよく捉えています。先生に親しみを込めて詠んだのでしょう。ただここには無意識に大人に対するシニカルな眼も見えるようです。
|
|
☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
ひこうきぐもがハートのかたち三一一 |
選評 |
ゆうりさん、3月11日のことは忘れてはいけないことですね。ハートの形がよりそう気持ちをあらわしているのですね。 |
小牧 |
小三 |
稲山 若那 |
かみがたを変えて出かける終ぎょう式 |
選評 |
若那さん、終業式は大事な学校の行事ですね。かみがたを変えて出かけるのは気持ちがひきしまりますね。 |
岡崎 |
小五 |
富田 聖也 |
路地裏の地面すれすれ燕飛ぶ |
選評 |
聖也くん、よく見ていますね。すれすれに飛んで、えさをとっているのですね。どんな虫をとっているのかな。 |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
瑠莉さん、あおむけに寝る猫はどんな猫ですか。すっかりかぞくになついているのですね。 |
選評 |
瑠莉さん、あおむけに寝る猫はどんな猫ですか。すっかりかぞくになついているのですね。 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
電車へと舞い込む花もお客様 |
選評 |
希さん、よいところを発見しましたね。花びらがお客様と思ったのは、それだけ花びらがかわいいからですか。 |
|
☆入選☆ |
蒲郡 |
三歳 |
みついさつき |
あめんぼとげんごろうがおにごっこ |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
かけざんがたのしみなんだ二年生 |
蒲郡 |
小二 |
廣中みくり |
あめの中かたつむりさんならんでる |
名古屋 |
小二 |
牧野 璃久 |
こうえんでかおより長いつくしつむ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
雨上がり野球はじまる春のにじ |
名古屋 |
小三 |
浅原 沙水 |
鳥たちの歌で目覚める春の朝 |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
五条川桜の絵かき大集合 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
さくらがね川いっぱいに咲いてるよ |
岡崎 |
小五 |
上葛 紗那 |
山桜地面にしかれたカーペット |
岡崎 |
小五 |
中根 愛花 |
尾を振らぬお玉杓子の沈みけり |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
六年生綿毛と共に旅立つよ |
名古屋 |
高三 |
赤川 舞 |
幼子と菜の花畑の丈同じ |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年5月号 |
☆特選☆ |
岡崎 |
小五 |
中根 愛花 |
手の平の日差しの中に春がある |
選評 |
愛花さん、よいところを見つけましたね。春はどこにもあるのですね。手の平が暖かくなったでしょう。
この句は素直な発見がよかったと思います。春はどこからも感じることが出来ますが、手の平の中にあるというささやかで、詩ごころがある発見です
|
|
☆秀逸☆ |
横浜 |
六歳 |
かとうともやす |
きたかぜにまえがみなくなったきぶん |
選評 |
ともやす君、北風がそんなにつよかったのですか。まえがみがなくなったとは、おもしろい発見ですね。髪の毛が後ろにひっぱられたのですね。こういうのをオールバックといいますね。 |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
ひなのまにきめつのグッズいっぱいよ |
選評 |
ひよりさん、おひな様といっしょにいま流行のきめつのやいばのグッズをかざったのですか。きめつのやいばはほんとうにおもしろそうですね |
桜川 |
小三 |
中原 侑士 |
ミニトマト口にくわえてリスになる |
選評 |
侑士君、ミニトマトはひと口で食べられますね。口にくわえたかっこうはほんとうにリスみたいなかんじをしたのですね。ただトマトを食べることはだいじなことですよ。 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
雪だるまおおきなかおでたおれそう |
選評 |
りんさん、郡上では今年大雪がふったのですか。大きな雪だるまを作ることができてよかったですね。あまり大きすぎてたおれそうだったのですね。気をつけて下さいね。 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
お雛様横目で道路見張ってる |
選評 |
希さん、希さんのお雛様は道路がよく見えるところにかざってあるのですね。お雛様が横目で見ているとは面白いところを発見しましたね。 |
|
☆入選☆ |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
すいせんのきいろはすこし白がすき |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
えほうまきじぶんでつくってたのしいな |
小牧 |
小二 |
稲山 若那 |
たたいても冬みん中の池のこい |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
ばあちゃんと七段かざるおひなさま |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
紅梅にSL煙がのしかかる |
岡崎 |
小五 |
宇野 俊樹 |
登校の耳たぶつまむ春寒し |
岡崎 |
小五 |
柴田 翔 |
薄氷をすくえばわれる外流し |
岡崎 |
小五 |
野々山月渚 |
立春のほしたシーツのまぶしさよ |
岡崎 |
小五 |
山崎明日香 |
こんにゃくに祖母にもらった針をさす |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
春日さす私の干支の災除丑 |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
恵方巻母が声かけタイムした |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
啓蟄や木の実の中に虫の艶 |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年4月号 |
☆特選☆ |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
かぶとむしのかたちにゆきがのこってる |
選評 |
はるとくん、雪がのこっているのを見たら、かぶと虫のように見えたのですね。おもしろいものを見ましたね。
「まだもののかたちに雪の積もりをり 片山由美子」という句があり、雪にものの形の推移を詠んだのですが、はると君の句は雪が兜虫のように見えたという比喩の句です
|
|
☆秀逸☆ |
名古屋 |
三歳 |
いそむらしゅか |
かがみもちおいしそうだなまっしろで |
選評 |
しゅかさん、かがみもちは白いとほんとうにおいしそうですね。でもかたそうですね。かたくてもやわらかくすればきっとおいしいですね。 |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
ふくわらいマスクしないでわらってる |
選評 |
ひよりさん、ふくわらいをやれば、だれでもわらっているようですね。でもマスクはしていないでしょうね。早くマスクのないせいかつをしたいですね。 |
小牧 |
小二 |
稲山わかな |
いちばんにカニにばんもカニのナベパーティ |
選評 |
わかなさん、カニがだいすきなのですね。私も大好きです。カニづくしのなべは楽しくておいしいパーティですね。 |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
初雪だ授業が止まり大さわぎ |
選評 |
あかりさん、授業中に雪が降ってきたのですね。さぞかし皆さん、びっくりで授業どころではなかったですね。ずいぶんと盛りあがったことでしょうね。 |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
湯気立てて伸びろよ伸びろぞうにもち |
選評 |
颯太君、ぞうにもちがずいぶんと伸びたことでしょう。伸びるとき湯気がたっぷりでいかにもおいしそうですね。 |
|
☆入選☆ |
名古屋 |
五歳 |
いそむらすみれ |
おとしだまかわいいふくろうれしいな |
藤沢 |
小一 |
おき本ゆうた |
さむいあさめざめるためにおすをのむ |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
ランドセルなんだかかるいはるちかい |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
なき虫をたいじしたいなおには外 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
大根は白くてふといおいしそう |
豊田 |
小五 |
安藤 洋輔 |
友達の文字の間違い年賀状 |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
写真はる五冊目になる初日記 |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
冬練習手がカチカチで動かない |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
すき焼きのお肉配りのパパが好き |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
学ランの中にうつすら冬の汗 |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
初詣みくじは家族同じ吉 |
名古屋 |
高三 |
赤川 舞 |
着ぶくれて最後の制服見えぬまま |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年3月号 |
☆特選☆ |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
サンタさんじょきんしてから入ってね |
選評 |
ゆうりさん、サンタさんからプレゼントはほしいけど、コロナがうつってはこわいですね。じょきんが大事ですね。
この句は今年のコロナ禍をうまく詠んでいます。今の世の中は除菌が大事だと言うことを子ども心にも訴えています。今年でないと作れない句です。 |
|
☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
冬空に二分の一の昼の月 |
選評 |
一瑛君、月が二分の一とは面白いですね。半欠けお月さんですか。よいところに気がつきましたね。 |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
冬の川こいが沈んで会議中 |
選評 |
あかりさん、こいが沈んでいるのによく会議をしていると分かりましたね。あかりさんはそのこいが好きなのですね。 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
今年はねコロナでスキーできるかな |
選評 |
りんさんのいる郡上は毎年スキーが出来るのですね。雪が降ってもコロナのためにスキーが出来ないと残念ですね。出来ればよいですね |
岡崎 |
小五 |
木島 武流 |
妹とこたつの中で足げんか |
選評 |
武流君、冬になるとこたつが欠かせないですね。いつも妹とこたつに入っているのですね。足けんかするのはほんとうは仲良しだからですね |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
サンタさんサイン頼めばsorryと |
選評 |
瑠莉さん、本当にサンタさんに会ったのですね。でも英語を話すサンタさんだったのですね。瑠莉さんも英語が出来るのですね |
|
☆入選☆ |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
もういくつねるとしょうがつオセロすき |
名古屋 |
六歳 |
いそむらすみれ |
クリスマスツリーになにをかざろかな |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
にんじんがもみじのかたちまぜごはん |
名古屋 |
小一 |
牧野 璃久 |
三日月がひかりかがやくさむいよる |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
がっこうへいくときあさはさむいんだ |
小牧 |
小二 |
稲山 若那 |
顔あててりんごのかおりかぎまくる |
岡崎 |
小五 |
須藤 環 |
福引のはずれが続く年の暮 |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
冬休み母に言われて部屋そうじ |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
白い息今年も出たよ登校時 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
妹がかげをつれてく冬の道 |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
朝稽古面とってはく白き息 |
名古屋 |
中二 |
野瀬 彩名 |
もつ鍋の湯気のむこうにちちとはは |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年2月号 |
☆特選☆ |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
スーパーで買ふすかすかのずわい蟹 |
選評 |
惟孝君、蟹はおいしいけど、すかすかではつまらないですね。今度、実の詰まった蟹を買ってもらって下さい。
「すかすかのずわい蟹」とは面白い発想です。今時の見てくれはよいが、中味のない蟹の風物詩として、鋭い視線が見えてきます。子供から大人に対する風刺です。 |
|
☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
きゅうしょくのみかんすっぱいへんがおだ |
選評 |
みくりさん、給食のみかん、そんなにすっぱいのですか。変顔も無理はないですね。本当はがまごおりみかんだったらよかったですね。がまごおりみかんはとってもあまいときいています。 |
名古屋 |
小三 |
淺原 沙水 |
いちょうふり風にあおられペアダンス |
選評 |
沙水さん、いちょうのはっぱは風に散るときはきれいですね。ペアダンスしているのは、ちょうど二枚いっしょにちったのですね。 |
岡崎 |
小五 |
森 大輔 |
たい焼を頭から食べやけどする |
選評 |
大輔君、たい焼きはおいしいからつい急いで食べてしまいますね。頭から食べるとやけどするとはおもしろいですね。しっぽから食べるとどんな味がするのかな。 |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
宿題のノートよごしたくしゃみして |
選評 |
颯太君、ついくしゃみが出てしまったのですね。宿題は家でやっているのですか。家の中ではマスクしないですね。家の中までマスクするのはいやですね。でもノートは大事にしましょう。 |
大阪 |
小五 |
中川 沙知 |
いちょうの葉どんどん落ちて雪みたい |
選評 |
沙知さん、いちょうの葉っぱはどんどん落ちると本当に雪みたいにつもりますね。さしずめ沙知さんが見た雪は黄色い雪ですね。 |
|
☆入選☆ |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
としょかーどもらえうれしきこはるかな |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
なぞときのじゅもんとけたよあきのくも |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
しんぱいだ母さんのかぜなおるかな |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
すっぱくてさいごはあまい早生みかん |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
木に残るもみぢ一枚まっ赤まっ赤 |
蒲郡 |
小四 |
加藤日南乃 |
足音でよろこぶ小犬冬ひなた |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
コスモスはすてきな声で歌ってる |
岡崎 |
小五 |
須藤 環 |
焼きいもを二つにわれば甘い湯気 |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
みんな好き豆腐入った母の鍋 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
コスプレの子もみぢの下で決めポーズ |
江南 |
小六 |
松岡 明咲 |
金色を空へちりばめ銀杏散る |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
じっと見る犬と蜜柑を分かち合う |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和3年1月号 |
☆特選☆ |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
くりさんはとげとげの中すんでるよ |
選評 |
りんさん、栗をよく見ていますね。栗はとげとげに守られて、中はすごしやすいですかね。栗に毬があるのは大人にとっては常識です。ジュニアの子は発想が豊かです。毬は外から守られている家と感じたのは素直です。 |
|
☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
フラッグの先は大空運動会 |
選評 |
一瑛君、「フラッグ」は運動会の旗ですか。フラッグがはためいた先は大空なのですね。空は広々としてよく晴れているのが分かります。運動会は楽しかったのですね。 |
豊田 |
小五 |
安藤 洋輔 |
秋の野に自転車倒し走り出す |
選評 |
洋輔君、秋の野には何をしに出かけたのですか。そこに自転車を倒して走って行ったのは、何か楽しいことがあったからですね。いかにも楽しそうな様子が見えました。 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
いも虫が葉っぱの裏で食事中 |
選評 |
希さん、よく観察していますね。いも虫が葉っぱの裏にいることは食事しているからに違いないですね。食事は葉っぱだったのですね。もしかすると食べている音まで聞こえてきそうですね。 |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
弁当の熟柿がはしをすり抜ける |
選評 |
惟孝君、お弁当に柿を持っていったのですか。でも熟しすぎて、柔らかったのですね。はしで取ることが出来なかったあとは、何でつかんだのですか。とまどった様子がよく見えますよ。 |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
鈴虫の音色を聞きて深眠る |
選評 |
侑吾君、寝ているすぐそばに鈴虫が鳴いているのですね。鈴虫のやさしい音色にさぞかしよく眠れた様子がよく見えますよ。それとも受験勉強中で疲れたので、よけいによく眠れたのですか。 |
|
☆入選☆ |
小牧 |
三歳 |
いそむらしゅか |
うんどうかいしゅかは4とうメダルだよ |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
うんどうかいおうえんのひとすくなくて |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
あきのうみきらきらひかりほしみたい |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
はぜつってかぞくみんなでごちそうだ |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
まんげつはにじいろみたいにみえるんだ |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
ばあちゃんとギョーザを作るあきの夜 |
蒲郡 |
小四 |
加藤日南乃 |
運動会のリレーのアンカー負けて泣く |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
ヤマボウシ赤い実をつけおいしそう |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
ベランダに名月を待つ弟と |
岡崎 |
小五 |
三木瀬里奈 |
秋の雲細くくびれてちぎれ飛ぶ |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
たんぼ道いっせいにとぶ稲雀 |
江南 |
小六 |
松岡 明咲 |
目覚めよし窓の景色も爽やかに |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和12月号 |
☆特選☆ |
蒲郡 |
小四 |
市川誠之助 |
おおじいちゃんついに百寿だ満月だ |
選評 |
誠之助君、おおじいちゃんの百寿、おめでとう。すごいですね。満月もおめでとうと言っているのですね。百寿まで生きるのは本当にめでたいことです。ひ孫の子もすごいと思っているのでしょう。「百寿だ満月だ」との重ね言葉は子供ながらの応援歌でしょう。 |
|
☆秀逸☆ |
藤沢 |
小一 |
沖本 優太 |
ぼくのかおマスクのしたはえがおだよ |
選評 |
優太君、今年はコロナのため、みんなマスクしていますね。マスクの下は分からないのですが、みんな笑顔でしょうね。もちろん優太君のマスクの下も笑顔ですね。 |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
ぬるぬるのあゆの川だよすべります |
選評 |
みくりさん、あゆのやなにに出かけたのですか。やなはぬるぬるしてすべりやすいですね。そのぬるぬるしているのが、「あゆの川」ですよ。 |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
こおろぎのなきごえ一つもらってく |
選評 |
はると君、夜、こおろぎのなき声を聞いたのですか。そのこおろぎの声を「もらってく」とはおもしろいことに気づきましたね。 |
岡崎 |
小五 |
加藤 愛理 |
三日月が里山の木にひっかかる |
選評 |
愛理さん、三日月が木に引っかかっているとは面白いですね。三日月のとがったところが引っかかったのですね。三日月でないと引っかかりませんね。満月ならどんなに見えるのですか。 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
いもを掘るもぐらの道にこんにちは |
選評 |
希さん、いもを掘っていたのですか。その穴がもぐらの道でしたか。こんにちはをしたのなら、もぐらに会えたのですか。もぐらの方がびっくりしたのではないですか。 |
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☆入選☆ |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
おりがみではなたばづくりけいろうび |
那覇 |
六歳 |
栗田 栞帆 |
あきあつしとびばことんであせびっしょり |
鎌倉 |
小一 |
うえのひかり |
木の下のおちばのベッドあかきいろ |
名古屋 |
小二 |
武田 勇紀 |
しゃぼんだままよこにとぶよあきのそら |
蒲郡 |
小三 |
豊田 陽哉 |
空高く三原色のシャボン玉 |
那覇 |
小三 |
栗田竜乃介 |
秋休みみじかくなってさみしいな |
蒲郡 |
小四 |
加藤日南乃 |
子犬つれ散歩の後ろに赤トンボ |
岡崎 |
小四 |
上葛 沙那 |
つゆ草やすみにぽつんと笑ってる |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
コスモスがすてきな声で歌ってる |
蒲郡 |
小五 |
豊田 美空 |
道ばたに横一列のひがん花 |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
胸つかみ指に留まらすきりぎり |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
甘いのを後に残してぶどう食う |
東京 |
六歳 |
田中 光穂 |
サバンナは草がいっぱいかくれんぼ |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
かおえがく鳴子のこけしに秋のかぜ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
すいかわりぼうをかまえてめい中だ |
名古屋 |
小五 |
武田 春紀 |
友達とプールの約束オンライン |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
風鈴の音に安らぐ午後三時 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和2年11月号 |
☆特選☆ |
那覇 |
小三 |
栗田竜乃介 |
セミがなくママに怒られ僕もなく |
選評 |
竜乃介君、ママに怒られると、セミを思い出すのですか。竜乃介君が泣く時は、セミと同じ鳴き声ですか。 誰でも母親に怒られた記憶がありますが、この句は私たちが泣いた子供時代の思い出につながります。上五と下五の「なく」のリフレインがリズムをよくしています。 |
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☆秀逸☆ |
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蟹江 |
六歳 |
いとうひより |
あついけどおにごっこすきじじばばと |
選評 |
ひよりさん、おじいさんとおばあさんが好きなのですね。おにごっこをすると汗びっしょりとなりますが、よい汗ですね。それはよい暑さですね。 |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
ラクダからクマにかわった入道雲 |
選評 |
わかなさん、よく入道雲を見ていますね。いろいろなどうぶつに見えるのですね。ラクダからクマに変わったときを見たのがよい思い出になりますね。 |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
あゆやいてないぞうはれつ苦すぎる |
選評 |
一瑛君、あゆのしおやきを食べたのですか。あゆのないぞうが焼けたと思ったら、はみ出してしまったのですね。そこまで食べたらとても苦いのですね。でもぜんぶ食べたのですか。りっぱですよ。 |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
お月様世界をうつす大鏡 |
選評 |
あかりさん、お月様はウサギも見えるかもしれませんが、世界がうつっていたのですね。そんな大きな鏡があったとはびっくりです。平和をうつす鏡だったらと思いますね。 |
岡崎 |
小五 |
丸山 一成 |
風鈴の舌丸まって秋だなあ |
選評 |
一成君、風鈴の舌は紙でできているのですね。紙がうすいとくるくると丸まってしまったのですね。そんなところにも秋があるとはとてもよい発見ですね。 |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
小一 |
三井ゆうり |
かまきりがみどりのはっぱとおなじいろ |
蒲郡 |
小一 |
市川ゆめのすけ |
おこされたせみのなきごえはげしいな |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
なつやすみいっしゅうかんだつまんない |
名古屋 |
小二 |
武田 勇紀 |
兄ちゃんがにわでねころぶ春のひる |
名古屋 |
小三 |
山田 和輝 |
せんぷうき風をおくってつかれそう |
名古屋 |
小三 |
淺原 沙水 |
夏まつり中止でゆかた写真だけ |
蒲郡 |
小四 |
市川誠之助 |
雨やんで風がふいたよやっと夏 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
花火だねいろんな色が空にとぶ |
岡崎 |
小五 |
寺田 玲奈 |
こんなにも暑い立秋なんてあり |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
目隠しがずれて笑ってスイカ割り |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
かまきりの威嚇のポーズまねてみる |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
休暇明腕ごと逃げる指ずもう |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
あさがおのはながカラフルかわいいな |
蒲郡 |
小一 |
みついゆうり |
川あそびハートの石をみつけたよ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
もうろうとしたらはな血だ暑すぎる |
蒲郡 |
小四 |
加藤日南乃 |
あつい道ははあはあという犬の声 |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
とれすぎたトマト机にころがりて |
名古屋 |
小四 |
岡本 瑠々 |
いちじくが転んでならぶおいしそう |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
親戚とリモート夕飯盆休み |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和2年10月号 |
☆特選☆ |
小牧 |
小二 |
稲山 若な |
ワニみたいゴーヤの体デコボコだ |
選評 |
若なさん、すごい観察ですね。確かにゴーヤはワニみたいですね。もしかしたらワニは緑のデコボコかな。ゴーヤのデコボコをワニにたとえた子供の感性がよかったと思います。ささやかな日常から比喩を発見することがよい俳句につながります。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小一 |
廣中みくり |
ヤングコーン赤ちゃんなのにひげいっぱい |
蒲郡 |
小一 |
みついゆうり |
あおもみじはっぱのすきまにたいようだ |
名古屋 |
小四 |
岡本 璃々 |
せみしぐれ昨日生まれたあの子かな |
岡崎 |
小五 |
井原 未来 |
金魚ばち近づく金魚大きくなる |
岡崎 |
小五 |
三島 翔太 |
麦茶飲む一息に飲む何回も |
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☆入選☆ |
名古屋 |
六歳 |
いとうひより |
ばあちゃんとプリンをつくるなつやすみ |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
がっこうにやっとなれたらたなばただ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
いもうとのあたまにせみのぬけがらだ |
名古屋 |
小三 |
淺原 沙水 |
うつせみやにわであつめて今九こ |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
ブローチのつもりでつけた蝉のから |
多治見 |
小三 |
山田 りお |
すいかわりどこにすいかがあるのかな |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
たまねぎをずっときったらないちゃった |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
どくだみのにおいは苦手役に立つ |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
とっぽんと音立てしずむ水中花 |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
せみの声目覚まし代わりに飛び起きる |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
虫捕りの顔に絡まる蜘蛛の糸 |
一宮 |
高二 |
澤田 侑吾 |
喉渇き犬とスイカを分けて食ぶ |
東京 |
五 歳 |
田中 光穂 |
ゆうやけの景色はとてもきれいだね |
京都 |
六歳 |
かわきたあきの |
みつばちがおはなのまわりとんでるよ |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
セミの羽化羽乾かして空に飛ぶ |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和2年9月号 |
☆特選☆ |
福岡 |
小五 |
飯田 仁平 |
泥だらけ星人になり田植えする |
選評 |
仁平君、泥だらけ星人って、どこの星の人間ですか。その星から来て田植をしているように見えたのですね。
この句は「泥だらけ星人」と思い切った比喩が成功しています。多分子供が田植をしていると、その泥だらけから発想が広がったのでしょう。 |
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
三歳 |
みついさつき |
だんごむしちょんとやったらまるまった |
藤沢 |
小一 |
上野ひか璃 |
あめしずくほうせきのようてんのシャワー |
蒲郡 |
小一 |
ひろなかみくり |
かたつむりしらずにふんでごめんなさい |
岡崎 |
小五 |
井原 未来 |
母のまね鏡にうつすサングラス |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
ソーダ水緑の中にあわ光る |
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☆入選☆ |
名古屋 |
五歳 |
磯村すみれ |
バーベキューきょうはたのしいことばかり |
蒲郡 |
小一 |
みついゆうり |
じょうおうありとちいさいありがおにごっこ |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
がっこうがはじまる六がつうれしいな |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
父の日にせなかながしてわらいあう |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
風鈴の音色の真下耳すます |
名古屋 |
小四 |
岡本 璃々 |
食いしんぼおたまじゃくしはおちょぼ口 |
郡上 |
小四 |
村瀬 りん |
夏休みコロナでとてもみじかいよ |
岡崎 |
小五 |
中島 太陽 |
冷麦のピンクと緑取り合いだ |
岡崎 |
小五 |
米原 樹里 |
ビール飲む真っ赤っかなる母の顔 |
豊田 |
小五 |
片山 和美 |
いろいろなマスクのもよう梅雨に入る |
名古屋 |
小六 |
鬼頭 直輝 |
妹の緑のトマト赤くなれ |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
大みみずまつすぐ伸びて流れけり |
京都 |
六歳 |
かわきたあきの |
はやすぎだケーキづくりをまちがえる |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
風鈴に合わせピョンピョン鳥踊る |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和2年8月号 |
☆特選☆ |
名古屋 |
小三 |
山田 和輝 |
おばあちゃん朝昼夜と新茶のむ |
選評 |
和輝君、おばあちゃんのことよく見ていますね。本当に新茶が好きなんでしょうね。よく見ていると思います。
この句は祖母世代と孫世代の違いがよく見えています。私たち祖父、祖母世代にとって新茶が好きなのは当たり前です。しかしこの句は孫世代の視点が際立っています |
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☆秀逸☆ |
豊田 |
小五 |
新實 颯太 |
青色かな緑色かな夏の山 |
小牧 |
小五 |
稲山 瑠莉 |
梅干しのしわの形はばあちゃん似 |
犬山 |
小六 |
西田 希 |
ハンモックバランスくずして草の上 |
半田 |
中一 |
荒川 惟孝 |
かみついて蟻が芋虫解体す |
名古屋 |
中二 |
野瀬 彩名 |
宿題の手作りマスク夏が来た |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
小一 |
ひろなかみくり |
びっくりだおにわのたけがのびてきた |
蒲郡 |
小一 |
みついゆうり |
ゆうがたのママのみずやりにじがでた |
福岡 |
小一 |
いいだはると |
ゆうやけがやまをかこってひかってる |
名古屋 |
小二 |
佐野 友香 |
春の風窓から入る気持ちいい |
小牧 |
小二 |
いな山わかな |
父さんのすきなゴーヤにヒゲがはえ |
蒲郡 |
小三 |
廣中 一瑛 |
百ぴきのゆらゆらゆれるこいのぼり |
犬山 |
小三 |
西田あかり |
風呂上りアイスクリームは最高だ |
蒲郡 |
小四 |
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