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第3回「伊吹嶺」俳句鍛錬会記(鎌倉・江の島)
 
平成22年5月18日(火)〜19日(水)
 
 去る5月18日(火)〜19日(水)に第3回「伊吹嶺」俳句鍛錬会が鎌倉・長谷寺及び江の島で行われ、関東支部の皆さんのおかげで66名もの参加を得て、盛大な鍛錬会になった。
 3回目の鍛錬会は関東支部の皆さんにより綿密に準備していただき、まず江の島の神奈川女性センターの句会場、宿泊の一斉予約から始まったと聞いていた。おかげで宿泊は女性センターを貸し切って行うことが出来たとのこと。
 1日目は鎌倉駅集合後、江ノ電乗車体験から始まった。今回の行程はゆったりと組まれ、最初の吟行地、長谷寺をゆっくり吟行することが出来た。引き続き、江ノ電経由で江の島に移動し、昼食後、女性センターで3班に分かれ、第1回句会が行われた。句会時間もゆったりと組んでいただいたおかげで、栗田主宰の講評以外にそれぞれ同人、会員問わず選評の時間を持つことも出来、それぞれ句を見る視点の違いも分かりよい試みであった。
 夕食後、第2回句会も3班に分かれて行われたが、一部食事前に夕富士を見て詠まれた方もいて、熱心さによる佳句を見せて貰った。
 2日目は江の島一周の吟行が行われたが、出発前に降っていた雨も吟行中は一度も雨が降らず、ここにも主宰の晴れ男の念力を見せていただくことが出来た。江の島は私自身始めて訪れたところであったが、思いのほか見るべきものが多く、江の島神社(辺津宮、中津宮、奥津宮)、裸弁財天、一遍上人の島井戸、岩屋窟などそれぞれ皆さんが熱心に句材を拾っていた。
 再び女性センターに戻って昼食後、3回目の句会は全員集合で行われた。2日間の鍛錬会は今まで名前しか知らない方との交流と疲労を伴った充実感のうちに無事終えた。
 なお栗田主宰は連日のハードな日程の中、ご出席いただいた句会だけでなく、他の句会も選句をしていただきありがたいことである。またお聞きしたところ、熱心組は前日から鎌倉の虚子ゆかりの鎌倉文化館、墓、虚子邸跡なども訪れたという。
 以下は鍛錬会模様と参加者の1句を掲載します。なお特選は静岡の磯田なつえさんの「庭石菖八十貫の力石」でした。
 あわせて今回の実行委員長を務められた武藤光リさんのお礼のメッセージも載せます。(隆生)
 鍛錬会参加のみなさまへ
 第3回伊吹嶺鍛錬会を恙なく終える事が出来ました。これもひとえに栗田主宰始め伊吹嶺連衆のご協力のお陰であり、心より感謝いたします。
 何かと不行き届きの点もあったとは思いますが、2日間何とか吟行までは天気にも恵まれ多くの佳句をお詠み頂けたことでお許し頂きたいと思います。
 鍛錬会では合計8句しか発表できませんでしたが、それぞれの句会や伊吹嶺誌上で残りの御句を発表してください。それらの御句を拝見できる日を楽しみにしております。
 今回参加が適わなかった伊吹嶺連衆も次回はぜひご参加頂けるように体調面からもご配慮頂いて参加をご検討ください。
 鍛錬会に参加する事により俳句の頂点を目指して進む「伊吹嶺」の良さが本当に判ってくると思います。
また、みなさまにお会いできる日の一刻もはやいことを願っております。
                                第3回伊吹嶺鍛錬会実行委員長 武藤光リ

鎌倉長谷寺前で全員集合

出発前の一灯さんの説明

長谷寺の観音堂

長谷寺の展望台から相模湾

栗田主宰と実行委員長の光リさん

長谷寺から江ノ電へ

江ノ電を待つ

歩いて江の島へ

江の島で昼食

第1回句会(Aグループ)

選評の主宰

夕食前に主宰挨拶

一灯さんの乾杯音頭

2日目の吟行説明

江の島神社(辺津宮)

岩屋窟を出たところ(見えないがイソヒヨドリがいた)

山田検校碑の前

江の島は坂が多い

帰りはこちらですよ

第3回全体句会

特選のなつえさん
参加者の1句(順不同)
輪蔵の把手艶めく薄暑かな 森垣 昭一
合掌の和み地蔵や若葉風 古賀 一弘
半眼の千体仏へ新樹光    関野さゑ子
稲荷社の鳥居塗りたて苔の花 菊池 佳子
捨て猫のための募金や島薄暑      栗生 晴夫
長谷寺の燈に忙しき蟻の列       桑原 健次
夏帽子被りなほして富士仰ぐ 宇佐美こころ
新緑や水かけ地蔵艶めける       鈴木みすず
島路地に並ぶ釣具屋ばらの花      横森今日子
芍薬や写経のをみな背正す       三井あきを
燭を手に滴りの洞及び腰        佐藤とみお
頼朝の駒駆けし浜青葉潮        中野 一灯
新緑や弥陀の光背煌めける       武藤 光リ
卯の花や辻に客待つ人力車       谷口千賀子
青梅や日の斑に笑まふ童子仏      国枝 洋子
沖はるかサーフィンの帆のきらめけり  熊澤 和代
胸像になんじゃもんじゃの花の影    丹羽 康碩
奥宮は島の洞窟燭涼し         平松 公代
青葉潮匂ふ江ノ電止まるたび      都合ナルミ
経蔵の磴に散り敷く竹落葉       小柳津民子
冬至梅はや実をこぼす池の端      中根 多子
江ノ電に乗りくる僧の薄ごろも     倉田 信子
浜ひるがほ風見櫓の裾に這ふ      林  尉江
弁天窟出でて青葉の風やさし      国枝 隆生
椎の花匂ふ浜風岩屋道         田端  龍
鉄錆の匂ふ江ノ電夏めく日       廣中みなみ
夏雲に富士隠れをり島の朝       小島 千鶴
虚子句碑へひとつばたごの影揺るる   岸本 典子
写経堂の屋根にかぶさる若楓      市川 斐子
水かけて地蔵拝む子緑陰に       松平 恭代
江の電の軋みてまがる薄暑かな     久野 和子
検校の点字の碑文夏落葉        奥山ひろみ
潮騒の沖の明るさ花とべら       小田二三枝
長谷寺の号は海光竹若し        櫻井 幹郎
夏つばめ島に明治の黒ポスト      福田 邦子
若葉風色とりどりの電車来る      市川 悠遊
鎌倉の海のひかりや桜の実       金原 峰子
長谷寺の地蔵笑まへり竹の秋      高橋 治子
山蛭の背艶やかに苔這へり       河合 義和
辨天の裸身眩しみ拝しけり       坂本 操子
猫多き島の路地抜け夏つばめ      宇野美智子
鳶まふ海光山の五月晴         松本 恵子
おもだかの群れ咲く観音浄土かな    上田 博子
弁天の島に猫道花いばら        野島 秀子
庭石菖八十貫の力石          磯田なつえ
花とべら海風強き島泊まり       伊藤 克江
江ノ電の青蔦掠め滑り込む       小原 米子
江ノ島に逆巻く卯波富士暮るる     牧野 一古
卯波立つ相模の海や富士見ゆる     藤田 映子
薫風や香煙囲む女学生         豊田紀久子
手燭もち石仏めぐり洞涼し       河村 惠光
島若葉弁天へ鐘澄みわたる       伊藤 範子
岩屋守夏ストーブを足元に       若山 智子
サングラスはづし菩薩の御前に     工藤ナツ子
江ノ島へ夏帽押さへ橋渡る       上田 則子
辨財天肌の白きに緑さす        中村修一郎
銭洗ふ池や眼に沁む樟若葉       中村 たか
青梅や放生池へ水ざんざ        磯田 秀治
樟若葉絵馬に祈願のフランス語     服部 鏡子
皐月波掌ほどの牡蠣売らる       長谷川久恵
弁天に今朝水揚げの金目鯛       服部 萬代
朝涼しみくじ開けば木槌現る      山本 光江
鳶鳴いて初夏の江ノ島目覚めけり    矢野 孝子
燭照らしすすむ洞内滴れり       巽 恵津子
足裏まで白き弁天青しぐれ       栗田せつ子
巌頭に磯ひよどりや卯波立つ      栗田やすし
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